子どもたちのインターネット利用について考える研究会、第三期活動を開始

2011.06.03

 

〜適切なインターネット利用の鍵を握る保護者向け教育の実態調査、あり方の研究を行い、自治体などに提言〜

 

 子どもたちのインターネット利用について考える研究会(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)は、本日、第三期の調査・研究活動を開始することをお知らせします。第三期のテーマは「保護者向け教育のあり方の提案」です。子どもたちの適切なインターネットを支える立場にある、各家庭の保護者向けの啓発活動の実態や、保護者自身のインターネット利用環境などを調査、把握し、専門家による議論、検討を進め、2012年2月には、啓発内容や進め方についての改善提案を報告書としてまとめ、公開する計画です。

 

 成長の途上にある子どもたちが適切にインターネットを利用していくためには、保護者の適切な見守り、指導や各種の環境整備が欠かせません。そのために各家庭の保護者は、インターネット利用の可能性とリスクを予め適切に理解している必要があります。こうした事情や、2009年4月に青少年インターネット環境整備法が施行されたこともあり、近年、国や地方自治体はもちろん、携帯電話事業者などが、保護者向けの啓発活動に積極的に取り組んでいます。しかし、その機会や提供される情報の範囲にばらつきも大きく、全体として見ると、適切なインターネット利用についての理解が、保護者の間に広く浸透したとはまだ言えない状況です。こうした背景から、このほど開始する第三期では、「保護者向け教育のあり方の提案」をテーマに選定しました。

 

 子どもネット研は、子どもたちのインターネット利用をより豊かで安心なものにするために、諸課題を調査・研究し、保護者や行政・業界関係者向けに整理された情報を提供するために2008年4月に設立された任意団体です。子どもの発達や教育、メディアとの関わりに詳しい学識経験者を中心に、学校関係者や保護者が集まり、2008年の第一期では交流サイトなど双方向利用型サイトの利用リスクについて、2009年の第二期では子どもたちの段階的なインターネット利用デビューのあり方を整理してきました。

 

 今回の第三期のテーマに合わせ、新たに生涯学習・社会教育分野の専門家として、委員に笹井 宏益氏(国立教育政策研究所 生涯学習政策研究部 総括研究官)を迎えた他、一部委員の交代を行っています。退任された委員については、「子どもネット研フェロー」となり、引き続き研究会運営へのアドバイスを行います。

 

 研究会の成果は、報告書としてまとめ、保護者や関連省庁、地方自治体、保護者団体などに広く公開していきます。また、これまでに研究会として作成した啓発教材「保護者のためのインターネットセーフティガイド」については、スマートフォンの普及などの状況の変化に合わせ、大幅な改訂を行う予定です。第三期の研究活動の進捗に合わせ、特定の地域と連携した、保護者向け啓発活動の実践も計画しています。

 

 

子どもネット研 第三期活動および体制の概要

第三期活動期間

研究会開催:2011年6月〜12月(予定)

報告書公開:2012年2月(予定)

 

委員(座長以下50音順・敬称略)

坂元 章(お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 人間科学系 教授) ◎座長
井島 信枝(子どもねっと会議所 代表)
笹井 宏益(国立教育政策研究所 生涯学習政策研究部 総括研究官)
新谷 珠恵(東京都小学校PTA協議会会長)
宗我部 義則(お茶の水女子大学附属中学校教諭、お茶の水女子大学非常勤講師)
玉田 和恵(江戸川大学 メディアコミュニケーション学部 情報文化学科 教授)
七海 陽(相模女子大学、学芸学部 子ども教育学科 専任講師)

 

フェロー(50音順・敬称略)

漆 紫穂子(品川女子学院 校長)
下田 博次(青少年メディア研究協会 理事長)
高橋 正夫(全国高等学校PTA連合会 顧問)
(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神保健計画研究部長 同研究所自殺予防総合対策センター長内閣府本府政策参与(非常勤))

 

アソシエイトフェロー(敬称略)

宮田 佳代子(フリーキャスター)

 

運営事務局

ネットスター株式会社、ヤフー株式会社
(運営協力企業) ピットクルー株式会社
(運営協力企業) アルプスシステムインテグレーション株式会社、トレンドマイクロ株式会社

 

| 活動内容一覧へ戻る |

ページ上部