第3回 子どものケータイ利用を考える全国市民ネットワーク 全国会議 実施レポート

 2012年2月11日、「子どものケータイ利用を考える全国市民ネットワーク全国会議」が東京で開催されました。これは2009年度以降、京都と奈良で一回ずつ開かれている、保護者と地方自治体による自主的な集まり「子どもの携帯電話利用を考える全国市民会議」をさらに発展させたもので、今年度が通算三回目の開催となります。

 今回からは、子どもたちのインターネット利用機器の変化に合わせ、携帯ゲーム機やスマートフォンなどのポータブル端末を「ケータイ」と表現。参加地域・団体数はもちろん、事業者などの傍聴や研究者の参加も増えたことで、さらに充実した学習と交流の機会になりました。

 「子どもネット研」は、その活動趣旨に賛同する立場から、昨年度に引き続き、運営への各種協力を行いました。

 

主催 子どものケータイ利用を考える全国市民ネットワーク
ぐんま子どもセーフネット活動委員会
後援 東京都
協力 青少年メディア研究協会
子どもたちのインターネット利用について考える研究会
日時 2012年2月11日(土)10:00〜16:45
場所 東京都渋谷区 子どもの城(東京都渋谷区神宮前) 会議室
来場 子どものインターネット利用についての教育啓発や調査活動を行う各種の団体や、地方自治体の教育委員会・青少年行政担当者など(全国22都府県から計42団体・組織)。
その他、関係事業者や省庁、研究者も傍聴やゲスト参加。合計約200名。

 

当日の様子

講演当日写真1

 会議冒頭の講話では、まず文部科学省スポーツ青少年局から、青少年インターネット環境整備に係る文科省としての取り組み全体像の説明が、また、東京都青少年・治安対策本部からは、携帯電話端末等及び機能の推奨制度についての紹介がありました。
 その後、子どもネット研にて、座長の坂元章(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授)が、基調講演を担当いたしました。

 

講演当日写真2

 現在、子どもネット研では第三期調査研究活動として「保護者向けの教育啓発のあり方」の提案とりまとめに取り組んでおり、当日はその検討結果を先取りしてご紹介する形となりました。研究会の現状分析や課題整理への参加者の反応はなかなか良好で、提言の具体的な内容に対しても、活発な質問と意見表明がありました。子どもネット研では、当日いただいた参加者からの意見も反映させた第三期活動報告書を、本年3月には公開する計画です。

 

講演当日写真3

 昼食休憩をはさみ、午後は参加者が二つの会場へと分かれ、「家庭でのフィルタリング選び報告」(進行:ぐんま子どもセーフネット活動委員会)、「学校現場の現状と急がれる今後の取り組み」(進行:茨城県メディア教育指導員連絡会)、「ネットパトロールの取り組み概要と今後の課題」(コーディネーター:弘前大学教育学部大谷良光教授)、「保護者への啓発手法と課題」(進行:広島市電子メディア協議会)という計四つの分科会において、具体的な調査結果の発表や、実践手法の紹介・交流、パネルディスカッションなどが行われました。これら各分科会の中でも、文部科学省児童生徒課や三重県教育委員会事務局、東京都ファミリeルール事務局など、行政関係者からの協力の姿が見られました。

 

講演当日写真4

 なお、子どもネット研では、事務局が「家庭でのフィルタリング選び報告」分科会に、また玉田委員(江戸川大学 メディアコミュニケーション学部 情報文化学科 教授)が、「学校現場の現状と急がれる今後の取り組み」分科会に、それぞれアドバイザーとして参加させていただきました。運営協力のピットクルー株式会社は、「ネットパトロールの取り組み概要と今後の課題」分科会にパネリストとして参加しました。
 その後再び全体会形式に戻り、「地域活動の組織・運営」とのテーマで、NPO法人浜松子どもとメディアリテラシー研究所の事例発表があり、その貴重な知見が共有されました。

 

 最後に、全国市民ネットワークとしての「活動基本方針と今後の取り組み事項」案や、次回会議の開催予定地として広島市が紹介され、満場の参加者による長く熱い一日は、幕を閉じました。

 今回のように、保護者(利用者)の自主的な活動を有識者や行政がバックアップしていく形は、子どもネット研が期待する「新しい公共」の考え方そのものでもあります。また、保護者が地域ごとの多様性を保ちつつ、その知識や能力を高めていくことは、インターネットの健全な発展に欠かせない大切な要素です。子どもネット研では、今後もこのような活動を積極的に応援していきます。

 

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