渋谷区における「子どもたちの安全なインターネット利用のための地域密着型教育啓発事業」(2013年度)
子どもネット研では2011年度(第三期)の活動報告の中で、子どもたちのインターネット利用問題を解決するための保護者向けの教育啓発手法として、「狭い地域に絞った集中的に実施」「希望される保護者を対象に、深く学んでいただく」「対面型教育以外の伝達手法も複合的に使う」などの提案を行いました。神奈川県横浜市の協力をいただき実践にも取り組みました。さらに2012年度にはこの実証取り組みの範囲を東京都渋谷区の公立小学校二校にも広げています。(2012年度の渋谷区内での取り組みはこちら)
2013年度も渋谷区教育委員会の後援を受け、実証実験としての教育実践を継続することになりました。(ニュースリリースはこちら)
このページでは、東京都渋谷区内での毎回の講座の様子などを、現地レポートとして順次お伝えしていきます。(報告・担当講師:高橋大洋/子どもネット研事務局)
「子どもたちの安全なインターネット利用のための地域密着型教育啓発事業」
主催 | 子どもたちのインターネット利用について考える研究会 (実施担当:ピットクルー株式会社/子どもネット研運営協力企業) |
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協力 | 渋谷区立臨川小学校、千駄谷小学校、富谷小学校 |
後援 | 渋谷区教育委員会 |
協賛 | 株式会社ディー・エヌ・エー |
第一回講座現地レポート 2013年8月19日開催
日時 | 2013年9月11日水曜日10時30分から12時 |
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会場 | 渋谷区立臨川小学校ふれあいルーム |
参加 | 同校保護者のみなさん 12名 |
昨年度に引き続き、渋谷区内での講座のスタートを切ったのは臨川小学校での保護者向け講座となりました。
前後編構成の初回となる本講座は、「子どもたちのインターネット問題を正しく知ろう」というタイトルで、「子どもとネット問題」についての先入観を排し、最新状況を知るところからのスタートです。
その後、発信型利用にともなうトラブルへの注意喚起はもちろん、インターネットを上手に活用している具体例のご紹介、大人にも子どもにも大人気のメッセンジャーアプリとの付き合い方、従来型の携帯電話からスマートフォンに移行したことで、どんな影響が出てくるのかについてなども、新たなトピックとして加わりました。
講座の最後にはグループワークの時間をとり、他の保護者がどんな悩みや不安を持っているのかの確認をしていただきました。わずかな時間ではありますが、地域のネットワーク力を強めるためにとても重要な役割を果たします。
今回お集りいただいた保護者のうち、約6割は昨年度も受講された方でしたが、「基本シナリオは共通ながら、中身はアップデートされていて今年も新たな発見があった。インターネットの変化の早さも改めて痛感した。」などの感想をいただくことが出来ました。
なお今回は、地域密着型という少々風変わりなアプローチに興味を持たれた新聞・雑誌の記者さんが計3名取材に来られました。他に教育系の学部でネットリテラシー問題について学ぶ大学生3名の聴講もありました。
同校の保護者向け講座の次回(後編)開催は10月中旬に予定されています。後編では、それぞれに具体的なアクションをするために必要な考え方の整理や、取り組みのヒントについてご紹介していきます。
第二回現地レポート 2013年10月31日開催
日時 | 2013年9月11日水曜日10時30分から12時 |
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会場 | 渋谷区立臨川小学校ふれあいルーム |
参加 | 同校保護者のみなさん 12名 |
9月にスタートした渋谷区内での保護者向け講座、もともと10月中旬に予定されていた臨川小学校での講座後編が、台風直撃の影響で開催延期となり、第二回現地レポートは、千駄谷小学校での講座前編の様子をお伝えすることになりました。
講座前編のタイトルは同じく「子どもたちのインターネット問題を正しく知ろう」です。講座冒頭で挙手をお願いしてみると、さすが都心というべきか、受講者の全員がスマートフォンを所持されているとのこと。
それでもメッセンジャーアプリのLINE利用者が半数程度、TwitterやFacebookは数名が使っているのみということで、やはり保護者の現状は、中高生の利用状況とはまだ大きな隔たりがあることが分かります。
子どもたちを取り巻く状況の変化の確認に始まり、注意すべき利用トラブルは発信型にあること、またその発信型も、開放空間と閉鎖空間の二種類に分けて捉えるべきであることをご案内しました。
後半では、人気のコミュニティサービスを、共通する要素で把握する方法を説明した上で、恒例のグループワークの時間になります。
テンポよく進めたおかげで、ワイワイガヤガヤの情報交換をじっくりと行うことが出来ました。みなさんそれぞれに貴重な実体験がありながら、普段の生活ではお互いにそれを話し合う機会が少ない事、話しをしてみると、案外似たようなことで悩んでいる人が少なくないことを実感していただきました。
なお、受講者のうち、昨年度から継続された方は2割強にとどまり、新たにこの問題への取り組みをされる方が大半を占めました。また今回も大学生による聴講があるなど、用意いただいた会場は満席の盛況となりました。
受講者アンケートにも、「注意点を示しつつ、少しずつ子どもに使わせていきたい」「怖がらずに利用してみて、子どもに伝えていきたい」「親が勉強しておくべき事が多いと感じた」などの前向きなコメントがたくさん見られました。お子さんがまだ小学生のうちに、保護者がしっかりとした知識を身に付けることはとても重要なことと考えられます。
千駄谷小での後編の開催は12月上旬となります。理想的なデビューや、家庭での取り組みの実際について一緒に考えていく内容です。次回も多くのみなさんのご参加をいただけることを楽しみにしています。