子どもたちのインターネット利用について考える研究会、第二期活動を開始

2009.04.09

 

〜「子どもたちの段階的なインターネット利用開始」の提言とりまとめに着手〜

 

 2008年4月に発足した専門研究者・実務家の研究グループ「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)は、本年3月に第二期の研究活動を開始したことをお知らせします。研究課題を「段階的なインターネット利用のあり方の提案」と定め、新たに2人の委員を迎えるなど体制を拡充した上で、今期も子どもたちのインターネット利用について、保護者向けに具体的で役立つ提言を行ないます。

 

 子どもたちのインターネット利用に関する昨今の様々な議論や法制化などを受け、一部の携帯電話事業者のフィルタリングサービスでは、アクセス制限先を保護者自身がカスタマイズできるようになるなど、従来よりも柔軟な利用が可能になっています。こうした動きが盛んになるにつれ、子どもたちのインターネット利用については、これまで以上に保護者の主体的判断が求められる場面が増えることが予想されます。しかし、保護者が子どもの成長レベルや自らの教育方針に基づき、適切な利用内容を判断する為の情報は多くないのが現状です。また、携帯電話を巡る提言でも「持たせない」「持ち込ませない」といった極論が目立ち、子どものインターネット活用能力習得を望む多くの保護者からは、子どもを、その能力を超えた過度の危険にさらさないような、インターネット利用の段階的な解禁のための情報提供が望まれています。

 

 そこで子どもネット研では、第二期での取り組み課題を「段階的なインターネット利用のあり方の提案」とし、子どもたちが身につけたインターネット利用リテラシーなど、各々の成長段階に合わせた具体的な「解禁」の目安となる判断基準などを整理し、保護者向けにモデルとして提供します。また、それら判断基準を反映させた内容にて、小中学生の子どもを持つ保護者向けに、インターネット利用リスク教育用のモデル教材も制作する予定です。

 第二期の研究会では第一期に引き続き、坂元章氏(お茶の水女子大学教授)が座長を務め、各委員も留任となるほか、新たに、教育工学分野の専門家として玉田和恵氏(江戸川大学准教授)、小学生保護者の代表として新谷珠恵氏(東京都小学校PTA協議会会長)を委員に迎えます。また事務局については、引き続きネットスター株式会社およびヤフー株式会社が共同で運営を担当するほか、コミュニティサイトの監視専門企業であるピットクルー株式会社、イー・ガーディアン株式会社が事務局協力企業となります。

 研究会の成果は、事務局であるネットスターおよびYahoo! JAPANのフィルタリングサービス等への反映だけでなく、調査・検討を幅広く行い、保護者や地方自治体、ウェブサイト運営者などに公開していきます。

 

 

子どもネット研 第二期活動および体制の概要

開催期間

2009年3月〜9月末(予定)

 

委員(座長以下50音順・敬称略)

漆 紫穂子(品川女子学院校長) 
坂元 章(お茶の水女子大学大学院教授、専門:メディア心理学、社会心理学、教育工学) 
下田 博次(群馬大学特任教授、NPO法人青少年メディア研究協会理事長) 
新谷 珠恵(東京都小学校PTA協議会会長) 
高橋 正夫(全国高等学校PTA連合会会長) 
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所 精神保健計画部長) 
玉田 和恵(江戸川大学 メディアコミュニケーション学部情報文化学科) 
七海 陽(学校法人相模女子大学、学芸学部ツꀀ 子ども教育学科) 
#この他、研究会の外部協力者として、アソシエイトフェロー職を新設します。

 

事務局

ネットスター株式会社、ヤフー株式会社
(運営協力) ピットクルー株式会社、イー・ガーディアン株式会社

 

「子どもネット研」について

 携帯電話やパソコンを経由したインターネット利用が急速な広がりを見せ、子どもたちにも身近なものとなっているにも関わらず、その可能性・危険性の両方について、関連課題の調査・研究や、保護者向け情報提供が十分でない状況を解消するために、2008年4月に設立された専門家会議です。委員は子どもの心理・発達やメディアとのつきあい方についての専門研究者と、学校関係者、保護者で構成されています。事務局はネットスター株式会社とヤフー株式会社が共同で担当しています。

 

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