第三回研究会議事要旨

 

第三回研究会議事要旨

  1. 日時 2010年6月21日(月) 15:00〜17:00
  2. 会場 ヤフー株式会社 本社11F会議室
    • 出席者(敬称略)
    • 委員
      下田座長、飯塚委員、伊藤委員、坂元委員、新谷委員、滝委員
  • 発表者
    財団法人インターネット協会 大久保貴世
    子どもねっと会議所 井島信枝
    ぐんま子どもセーフネット活動委員会 渡部まどか
  1. 議事
    (1)開会
    (2)携帯電話でのフィルタリングサービスの概要
    (3)利用実態に関する検討
    (4)質疑応答・検討
    (5)閉会
    • 議事要旨
      (1)開会
      下田座長から開会のあいさつが行われた。
    • (2)携帯電話でのフィルタリングサービスの概要
      資料1に基づき事務局から説明が行われた。

       

    • (3)利用実態に関する検討
      各発表者から発表が行われた。

    •  

      (4)質疑応答・検討
      発表に対する主な質疑応答やコメントは次の通り。

    • 各携帯キャリアが提供しているフィルタリングサービスの対応年齢と比較すると、子どもネット研の発達段階モデルは、より厳しめの提言内容になっている一方で、学校現場などの感覚から見ると甘いかもしれない。子どもネット研のリスク評価モデルを参考にした、第三者機関以外によるサイト評価結果も提供が始まっている。本日の発表の中で認定サイトの基準に関する提案があったが、サイト認定基準の改善に向けた調査研究の必要性と結果分析の重要性は、当研究会として強調してよいと思う。

    • フィルタリングが普及しない理由については、ネットの危険性に関する保護者への啓発以外にも、フィルタリングのわかりにくさや用語の難しさなど、環境改善、知識の提供が必要であり、そこを研究会として訴えていく必要がある。

    • 保護者のITスキルレベルは様々で、人によってかなり開きがある。親のスキルレベルによって選択できるよう、サービスをきめ細かく分けて提供していく必要があると思う。例えばオールインワンのものから、カスタマイズ機能、あるいは機種自体を分けてしまうなど。また、携帯ショップでフィルタリング設定を的確にできるよう、フィルタリングコース診断チェックリストなどのツールはできないものか。

    • SNSサイトで、EMAが認定するサイトでも青少年がわいせつなケータイ小説や漫画に容易にアクセスでき、フィルタリングが意味をなさなくなっている例がみられる。フィルタリングの信頼性が揺らぐということになりかねない。真に保護者が安心できる仕組みを新たに作る必要があるのでは、と改めて感じた。

    • インターネット協会の大久保様のご発表の中でフィルタリングを利用しているかどうか不明、という回答が多かったということであるが、これについてもう少しお話しいただきたい。

      (回答:相談してこられるのはトラブルに遭遇した保護者であり、意識は高まっているはずであるのに、フィルタリングをかけているかどうか分からない、という回答が多い。その理由は把握していないが、心理的に「フィルタリングなし」とは回答しにくいと感じる保護者が安易に「不明」を選んでいる可能性もある。)

    • インターネット協会での相談は、ネットのトラブルに限定した相談という理解で良いか。東京都以外の自治体にこのような相談窓口はあるのか。

      (回答:相談の対象は、主にネットでのトラブルである。似たような相談窓口として把握しているところでは、大分市で、財団法人ハイパーネットワーク社会研究所に委託して実施されているものがある。そこでは大人からの相談も受けている。子どもに特化したネットトラブル相談窓口としては東京都のものが唯一と思う。)

    • 学校にはこの相談窓口の電話番号は配布しているか。 

      (回答:携帯に貼るシールに記載して配っている。)

    • 井島様の発表にあるフィルタリング共通アイコンはわかりやすいと思う。実現性という点ではどうか。

      (回答:実現性は何とも言えないところだが、提案の届け先としては経産省、JEITAになろうかと思う。)

    • 食品に例えると、成分表示で安全と表示されているものが実はそうではなかったということになる。昔は、子どもが近寄ってはいけないものが何となくわかっていたが、今は子どもを引きつけて、金儲けのターゲットにしている状況。まだ保護者にネットの危険性が十分理解されていない。本日発表いただいたような情報を見せないとなかなか分かっていただけないかもしれない。啓発に一層注力するよりないかと思う。

    • 機械が苦手な人に理解をしてもらうことは重要だと思う。専門用語が壁になっている面があると思うが、やりようはあるのではないか。例えば子ども専用携帯と同じように、フィルタリングが最初からかかっているキッズパソコンができないものか。

    • ゲームサイト(交流サイト)については、もはや「ゲーム」サイトという呼称は適切でないと感じた。EMAの認定について、認定されるか否かの単純な区分けではなく、認定サイトの中でも18歳以上OK、15歳以上OKなど、細分化したレーティングが必要ではないか。そのような細分化された認定を、保護者も加わって行う仕組みが必要と感じた。

    • インターネットの情報評価の責任は、保護者が負っているが、その認識が日本では定着していないと感じた。

    • ケータイ小説の現状に驚き、フィルタリングだけでは子どもたちを有害コンテンツから守りきれないと感じた。今後は、子どものネットでの暴走をいかに止めるか、という観点を入れて検討していく必要があるのではないか。

  • ゲームサイト(交流サイト)がSNSサイトと呼ぶべきものになっている、という発言があったが、ゲームサイト(交流サイト)ではケータイ小説の読み手と書き手がメールでコミュニケーションをとれるようになっている。また、ゲーム中にチャットができるようにもなっている。個人的には、ゲームサイト(交流サイト)の現状について手段がゲーム、目的が出会い、と言いきってもよいのではないかと感じた。普及啓発を行う立場からは、フィルタリングという言葉すら知らない、意識の高くない保護者にどう啓発していくかが難しいところだと感じている。

  • (5)閉会
    座長からの閉会挨拶の後、事務局から今後のスケジュールについて説明が行われた

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