第四回研究会議事要旨

第四回研究会議事要旨

  1. 日時 2010 年8 月20 日(金) 15:00〜17:00
  2. 会場 六本木アカデミーヒルズ40
    • 出席者(敬称略)
    • 委員
      坂元座長代理、阿部委員、飯塚委員、井島委員、伊藤委員、新谷委員
  • 発表者
    社団法人電気通信事業者協会 山田 英嗣(ソフトバンクモバイル株式会社)
    社団法人電気通信事業者協会 山本 秀樹(株式会社NTT ドコモ)
    社団法人電気通信事業者協会 小畑 幸司、安武 慶樹(KDDI 株式会社)
  1. 議事
    (1)開会
    (2)中間とりまとめ議論の概要振り返り
    (3)青少年の携帯電話・PHS 利用環境整備におけるこれまでの取り組みについて
    (4)質疑応答・検討
    (5)閉会
    • 議事要旨
      (1)開会
      坂元座長代理より開会のあいさつが行われた。
      事務局より新委員、運営協賛企業等についての説明が行われた。
    • (2)中間とりまとめ議論の概要振り返り
      資料1 に基づき事務局から説明が行われた。

    •  

      (3)青少年の携帯電話・PHS 利用環境整備におけるこれまでの取り組みについて
      社団法人電気通信事業者協会(TCA)より発表が行われた。

    •  

      (4)質疑応答
      発表に対する主な質疑応答やコメントは次の通り。

    • 資料の5ページで、フィルタリングサービス利用者が順調に増えているようであるが、最近の文科省の学校基本調査による結果と照らし合わせると、報告の700 万人のユーザ数と差が生じる。この報告の数字が、何を示しているか説明願いたい。
      (回答:差異の主な要因は、法人の利用が含まれているためと考えている。しかし、利用者情報よりこの法人での利用数を峻別するのは難しく、現状の報告となっている。)
    • フィルタリングを申し込んだ後に、解除している人はこの数字に反映しているか。
      (回答:この数字は、集計時点で登録されているお客様の数であり、質問の件数は数字から除いている。)
    • 青少年インターネット環境整備法施行のために、既存契約者への取り組みを強化したとあるが、通知件数と回答件数をご説明願いたい。
      (回答:未成年名義の契約者に対し送付した結果、通知件数の2〜3 割が解除を求めてきた。)
    • 14 ページの青少年有害情報対策部会のコミュニティサイト検証作業部会での議論およびその結果を閲覧する方法をご説明願いたい。
      (回答:コミュニティサイト検証作業部会の検討内容は、安心協にて公表されている。具体的な内容としては、
    • ①ミニメールの監視の必要性について、総務省に対し事前に整理を求めた事(最終的には総務省より通信の秘密に該当しない実施条件を提示頂いた)、
    • ②利用する年齢を偽り大人が子供に接触する事を防ぐために利用者の情報を正確に確保する事が、重要であると結論づけた事。現在、携帯電話事業者とSNS事業者の間で協議を行い、提供の準備を進めている。なお、今年度は、SNSサイトを利用する理由や出会いに至るまでのプロセスの確認を行い、安全に利用頂くための具体的な方法の検討を行う予定。)
    • 7ページの②に携帯電話等インターネットサービスおよび携帯電話等フィルタリングサービスの説明の部位について。ここには、販売店側はフィルタリングサービスを確実に説明すると書いてあるが、確実な説明を保護者が受けるためには、販売店員が確実にリスクを理解する必要があると考える。販売店員が確実にリスクを理解するためのTCAとしての指針はどのようになっているのか。
      (回答:基本的には、店員のスキルに依存せずに説明できるための仕組みづくりを行っている。具体的には、ツールに従い説明すれば一通り説明ができるようにしている。また、店頭の受付システムの契約手続きフローの中に、フィルタリングの説明を行ったかを確認するチェックボックスを設置し、確認するプロセスを設けている。)
    • 8 ページのフロー②で携帯電話等インターネットサービスおよび携帯電話等フィルタリングサービスの説明を行うとあるが、この説明を行うための具体的、統一的なフローの用意はあるか。
      (回答:統一的な説明に対しては、インターネットのリスクについて作成を行う事を部会で検討している。説明のフローは、フィルタリングサービス自体が各社で異なるため、各社が独自に作成して提供している。)
    • 販売現場で携帯の利用リスクやフィルタリングの機能説明を徹底される上で、どのような課題や障害があるのか。本研究会で改善に貢献できる事があれば、検討したいと考えている。
      (回答:直接お客様から伺った話ではないが、店頭営業に聞くと、お客様がなかなか聞く耳を持ってくれない現状はあるようだ。お客様も、法律で定められている事であっても、早く契約を済ませ持ち帰りたいお気持ちが強い場合がある。)
    • 7月30 日のネットのニュースでは、KDDI はフィルタリングの解除の際にその理由を取得するように変更したようであるが、各社とも実施しているのか。
      (回答:SBM は今年の4月から実施。KDDI はプレスリリースの通り。ドコモは、実施の方向性で進行している。)
    • 同7月30 日のネットのニュースでは、フィルタリングを解除した後は、保護者がログ閲覧サービス等を利用して子どもの利用を把握するとあるが、ログ閲覧サービスの内容を確認するにはどうすればよいのか。また各社ともログ閲覧サービスを用意しているのか。
      (回答:SBM はログサービスを用意している。KDDI は、ログサービスを用意していない。ドコモは、「i-モードアクセス履歴サービス」として提供しており、93 日前まで確認できる。)
    • 各社が提供しているフィルタリングサービスは、会社毎にシステムや基準が異なると思う。子どもの閲覧にそぐわないサイトの基準を決める際に、保護者の意見やニーズをどのように調査しているのかを、件数や具体的な内容とともにお伺いしたい。
      (回答:SBM を例に回答する。要望の集め方はいくつかあるが、まずは、カスタマセンターでの要望受付がある。また、最近は条例の関係で、自治体との意見交換がある。また、高額パケットや架空請求の件に付随して、各地の消費者センターの方と話をする機会もある。その他には、安心協や総務省傘下の懇談会の中で意見を集約している。なお、具体的な件数や内容については、個別のものになるので開示は難しい。)
    • PTAでは、毎年アンケート調査を実施し保護者の要望を集めているのでお知らせしたい。また、事業者が調査したい内容も伺い、アンケートに盛り込みたいと考えている。
      (回答:様々なデータを是非とも参考にしたいと考えている。また、今後は、フィルタリングを議論するためには、実際の事件の内容などの情報を含め議論を行い、それを踏まえた具体的な対策が必要だと考えている。)
    • ドコモとKDDI のカスタマイズ方式利用者はどの程度いるのか。
      (回答:ドコモは、全フィルタリングユーザの1割にも満たない。KDDI も、ドコモ同様に非常に少ない。)
    • 子ども向け携帯は、どのくらい利用されているのか。
      (回答:ドコモは、累計で約80 万台。KDDI は、約50 万台。SBM は、数は出せないが、発売がこの4 月でありごく少数。)
    • 子ども向け携帯は子どもっぽいため、結局は大人向け携帯に乗り換えるとの声を良く聞く。普通の携帯に、子ども用機能をオプションとして入れていく事を検討頂きたい。
    • 新聞の報道等を踏まえ、保護者として「EMA認定は大丈夫なのか」と強く感じるが、TCAとしてはどのように考えるか?
      (回答:フィルタリングの議論をすると忘れられがちであるが、事業者として最も大切にしている事は、「通信の秘密、通信の自由の確保」である。よって、本来、事業者は、個別にフィルタリングの中身やサイトの運営に口を挟むべきではないと考えている。なお、EMAの取り組みについて様々の批判がある事は承知しているが、公平性や透明性を図った運営をされており、現状ではその取り組みに対して一定の評価がなされても良いかと考えている。)
    • 現在は責任の押し付け合いをしている時期ではなく、関係者が協力して仕組みを作ってゆく段階であると考える。先ほどの説明の中で、説明しようにも聞いて頂けない保護者がいる事は良く理解できた。また、我々も保護者に対する啓発活動をする中で、PTAの会合に出てこない保護者や説明資料を配布してもすぐに廃棄してしまう保護者のような方々にどのようにアクセスするかについて頭を悩ましている。そうすると、購入の際に、保護者にご理解いただけるようにする事が重要であり、その方法を互いに知恵を出し検討をして行きたいと考えている。

 

(5)閉会
座長代理からの閉会挨拶の後、事務局から今後のスケジュールについて説明が行われた。

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