緊急提言:子どもネット研から保護者の皆様へ

緊急提言:子どもネット研から保護者の皆様へ

 

オンラインコミュニケーション能力を支えるのは「能力(スキル)」「知識」「倫理」。

利用開始時は、子どもの能力の発達段階と相手別に「求められる力」を保護者は確認を

 

~家庭内利用が注目される今だから知っておきたい、保護者が知っておくべき注意点~

 

子どもたちのインターネット利用について考える研究会(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)は、コロナ禍により急速に進む家庭でのオンライン教育推進を受け、子どもたちがオンライン上での双方向学習を行うために必要な能力を保護者が現状を把握し、利用ステップに併せて能力を身につけさせていくことの大切さを改めて提言致します。ついては、その目安となりすぐに家庭内で参考・実践できる2つの研究結果を改めてお示しいたします。子どもたちのオンラインサービス利用が、この非常時下の学びの支援となることを望むとともに、利用に際し、保護者の家庭内でのサポートがますます重要になる今、悩みを抱える保護者の一助となれば幸いです。

 

コロナ禍の影響により、子どもたちのインターネット利用時間が大幅に増加しています。緊急事態宣言解除後もこの状況は続くと予想され、また文部科学省からは、オンライン教育推進の支援施策が発表されるなど、教育のオンライン化が一層進むことが予想されます。

家庭でのオンライン教育受講が想定される中、各種準備や管理について、保護者に寄せられる期待と負担は今まで以上のものとなっています。しかし、保護者向けの情報提供やサポートは十分な状況とは言えず、「利用させる上でどんな点に気をつけたらよいか」、「子どもがトラブルにあわないか」など不安の声が相次いでいます。

 

子どもネット研では、このような状況を受け、これまでの研究結果を改めて提言することで悩みを抱える保護者の助けになるのではないかと考え、「オンラインコミュニケーションの段階的利用モデル」と、「乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック」の2つの研究結果を改めてお示しいたします。

 

「オンラインコミュニケーションの段階的利用モデル」は、子どもたちがインターネット利用を利用する際の望ましい手順や身につけるべき能力をモデル化しています。保護者は各段階で設定されている「必要な力」の習熟目安を元に判定することで、子どもの発達段階にあわせた理想的な利用の仕方や次の段階に進むための必要な指導が分かるようになっています。

 

「乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック」は3歳から6歳の子どもを持つ保護者が、家庭内での子どものスマホ育児について振り返ることで、その適切さと必要な対策を自身で確認することができます。

 

インターネット利用に必要な力は、保護者が子どもに寄り添いながら育てていくことが不可欠です。子どもネット研は、子どもを護り育てる保護者を引き続き支援して参ります。

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子どもネット研委員より保護者の皆様へ 

座長 坂元 章 

お茶の水女子大学 基幹研究院 人間科学系 教授

これまで、諸外国に比べて日本の教育情報化はすいぶん遅れていましたが、コロナ禍が一つの契機となって、それが大いに進んでいくことが予想されます。インターネットは子供の学習活動を支えるものとしてますます重要なものになっていくでしょう。インターネットとの付き合いはどうしても必要であり、安心安全にそれを使う素養は必須のものと言えます。今回の緊急提言が保護者の皆様のご参考になれば幸いです。

 

委員 玉田 和恵 

江戸川大学 メディアコミュニケーション学部 情報文化学科 教授

子どもたちがインターネットを利用する時間が増え、ネット依存や生活リズムの乱れ、不適切情報の影響やコミュニケーショントラブルなどをご心配をされている保護者の方が多いのではないでしょうか?

しかし、「ピンチはチャンス」です。今こそ、オンラインコミュニケーション能力を育てるチャンスだと思います。子どもネット研の「オンラインコミュニケーションの段階的利用モデル」や「保護者のためのセルフチェック」は、そのためのヒントになると思います。ぜひ参考にしてみてください。

 

委員 七海 陽 

相模女子大学 学芸学部 子ども教育学科 准教授

小さなお子さんをもつ保護者の皆さんは、在宅でお子さんと向き合いながら仕事も家事もこなす多忙な日々を過ごされていると思います。仕事で手が離せずにお子さんにスマートフォンを渡す機会も増えているでしょう。幼稚園や保育所の先生たちも子どもたちが家で楽しく過ごせるように、趣向をこらした動画を制作してインターネットで配信を始めました。

図らずも新型コロナによって、小さな子どもたちの日常にもICTがなくてはならない時代がやってきました。今一度子どもたちの成長にマイナスの影響を与えないようICT習慣を見直し、デジタル経験をプラスの力へ導いていく援助が必要です。そのためにぜひこのセルフチェックをご活用ください。最低限の注意事項やその理由をまとめています。無理せずに取り入れられるアイデアを一つでも実施して頂くことが、お子さまと保護者の一助になることを願っています。

 

 

 

 

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オンラインコミュニケーション利用の段階的利用モデル

子どもたちが適切にインターネットを利用するには、「段階的な利用」が欠かせません。

「段階的利用モデル」では、子どもたちがインターネット利用及びオンラインコミュニケーションを始める際の望ましい手順や身につけるべき能力を取りまとめています。

 

「段階的利用モデル」の大きな特徴の一つは、「子どもの発達」が段階になっている点です。同じ学齢の子どもでも、「能力(スキル)」「知識」「倫理」は人それぞれです。そのため、本モデルでは保護者が「自分の子どもがどの段階なのか」を各段階の「必要な力」で挙げられている項目について、それができるかどうかを判定することで、子どもの発達段階にあわせた理想的な利用の仕方や次の段階に進むための必要な指導が分かるようになっています。

 

オンラインコミュニケーション能力のモデル全図

 

能力要素一覧表
オンラインコミュニケーション能力の発達モデルに応じた望ましい利用範囲

 

 

 

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乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック

インターネット利用時間が急激に増えているのは未就学の幼い子どもたちも同じ状況です。乳幼児の子どもを持つ保護者向けに、スマホ育児の適切さと望ましいメディアの利用習慣を考えるための手軽に自己診断できるウェブサイト 「乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック」を提供しています。

 

「乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック」の特徴の一つは「機器利用の時間や場面」「情報の内容と保護者の関わり方」「機器の与え方」「保護者自身の知識や使い方」の4領域について各4問、計16問の質問に答えることで、現時点での各家庭の取り組みの適切さが簡易に自己診断できます。

自己診断後は各質問についての解説を読むことで、懸念すべき点についての正確な知識も習得することができるようになっています。

 

乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェックサイトイメージ

 

 

 

 

 

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  • 当研究会ついて
    子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)は、子どもたちのインターネット利用をより豊かで安心なものにするために、諸課題を調査・研究し、保護者や行政・業界関係者向けに整理された情報を提供するために2008年に設立された専門家会議です。事務局はヤフー株式会社、ネットスター株式会社およびアルプス システム インテグレーション株式会社が担当している他、ピットクルー株式会社が運営に協力しています。
    子どもの発達や教育、メディアとの関わりに詳しい学識経験者を中心に、学校関係者や保護者が集まり、これまでに「子どもたちの段階的なインターネット利用デビューのあり方」や「保護者向けの教育啓発のあり方」、「未就学児の情報通信機器との付き合い方」など調査研究し、その結果を関係者に提言しています。またPTAや地方自治体と協力し、安全利用のための教育啓発活動の実践やその効果測定にも取り組んでいます。

 

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