第八期分(2016年7月~2017年3月)活動報告書

2017年3月28日

 

「スマホ育児」で越えてはいけない一線をより具体的に

国内外の学術研究の文献調査結果や、保護者向けセルフチェックリストを公開
~不安を感じる保護者向けに、より具体的な判断材料と行動指針を提供~

 

子どもたちのインターネット利用について考える研究会(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)は、2016年7月から取り組んできた第八期調査研究活動「低年齢の子どもとインターネット」の活動報告書を取りまとめ、本日より研究会ウェブサイトで公開します。併せて、未就学児のスマートフォン利用に不安を感じる保護者向けにセルフチェックリストの提供も開始します。

 

概要

「スマホ育児」などと、乳児・幼児からの情報機器・インターネットへの接触による、心身発達への悪影響が懸念される状況を受け、子どもネット研では、「低年齢の子どもとインターネット」をテーマに第八期調査研究活動に取り組んできました。調査研究の一環として実施した「未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査」では、2015年の総務省による先行調査「未就学児等のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査」と比べ、未就学児利用の大幅な増加が見られました。また、多くの保護者が何らかの不安を感じながらも、いわゆる「スマホ育児」とは無縁ではいられない状況にあることがわかりました。その後、情報機器の利用が子どもの発達に与える影響についての学術研究の文献調査や、先進的な教育啓発実践例の視察などを通して、保護者向けの情報提供において、「伝えるべきこと」と「伝え方」の整理を進めてきました。

 

今回提供する同リストは、「機器利用の時間や場面」「情報の内容と保護者の関わり方」「機器の与え方」「保護者自身の知識や使い方」という4領域に分かれています。保護者は計16問の質問に答えることで、現時点での各家庭の取り組みの適切さが簡易に自己診断できます。その後さらに、各質問についての解説シートを読むことで、懸念すべき点についての正確な知識も習得することができるようになっています。提供する情報を特に優先度の高いものに絞り込むなど、保護者の負荷に配慮しつつ、子どもへの悪影響を抑えようという試みです。

 

その他、報告書では、地方自治体などを対象に、

(1)未就学期のスマホ利用の意味合いについて、メディアリテラシー教育の観点からの再定義が必要

(2)保護者に対しては、注意喚起だけでなく、判断や対処に役立つ具体的な情報提供が必要

(3)未就学児の保護者向け教育啓発は、より広い子育て支援施策の一環として進めるべき

などの提言をまとめています。
本研究会では、教育啓発に関わる行政担当者や地域で活動する各種団体などに、今期の活動で得られた知見を提供するなど、広く保護者向けの情報提供の充実や実効性の向上に資する活動に取り組む予定です。

 

セルフチェックリストの提供について

セルフチェックリストは、PDF形式のデータで、本日より研究会のウェブサイト上に掲載します。どなたでも自由にダウンロードが可能です。
また、幼稚園や保育園、認定子ども園などの保育施設や行政等が開催する保護者向け学習会等では、本リストの紹介、配布が自由に行えます。保育施設や学校、地方自治体、教育啓発に関わる地域団体などは、それぞれが作成する教育啓発資料等にセルフチェックリストを組み込み、再配布することも可能です。(一部質問項目のみの掲載は不可)

 

 

 

活動報告書について

 第八期活動報告書の全文は、PDF形式のデータで、本日より研究会のウェブサイト上に掲載します。どなたでも自由にダウンロードが可能です。

• 第八期調査研究活動の成果概要(保護者向けセルフチェックリスト、関係者向け提言)
• 第八期調査研究テーマ選択の背景(保護者を取り巻く状況、本研究会のこれまでの取り組みと問題意識)
• 今期の調査検討の結果(保護者に伝えるべきこと、保護者への伝え方
• 今期の活動記録等(体制、本会開催記録、調査および検討の実際)
• 付録(保護者調査の調査票および集計結果全文、文献調査結果報告書全文)

 

詳細につきましては以下をご覧ください。

 

 

報告書及び教材の内容について、多くの皆様からの改善のご提案をお待ちしております。
本サイトの「お問い合わせ」ページをご利用ください。

 

 

 

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